1月 032011
 

希望製作所 日本事務所 安 信淑

2010年12月13日(月)から17日(金)まで、韓国南部にある完州(ワォンジュ)から郡公務員たち17名と韓国希望製作所の3名が日本のコミュニティビジネスの現場を見学するため来日しました。

完州郡といってもどんな所か知らない人が多いでしょう。 韓国で地方自治が本格的に実施されたのは1996年で、地域活性化のためのコミュニティビジネスも日本よりその歴史が短いです。
しかし、この数年間、コミュニティビジネスに関する各自治体の関心が高まっています。 2007年、「社会的企業育成法」が制定されたこともその一つのきっかけになるでしょう。

韓国で最も早くコミュニティビジネスに取り組んでいる地域がこの完州郡です。 人口8万4千人の完州郡は、全羅北道の道庁地である全州市を囲んでいる地域で、都市との関連性も多く歴史文化遺産も多いところです。しかし、郡内13ヶ所の内10ヵ所は農山村で、高齢化や所得減少、人口減少で未来へのビジョンや活力を失っていました。こうした地域の悩みを解決するために、2007年から行政と住民が一体となってコミュニティビジネス育成に取り組み、その一歩として地域で生かせる資源の調査から始めました。そして事業3年目になる現在、様々な町会社が生まれ事業を営んでおり、それを支援するための地域経済循環センターが組織されています。こうした努力の結果、今年の全国最優秀地方自治体として選ばれる嬉しい成果も出ました。

希望製作所はこの完州郡のコミュニティビジネス活性化プロジェクトで、政策を支援し教育を行うなど、初めから郡と住民とパートナーになって一緒に歩んで来ました。その一環として、地域経済循環センターの公務員たちの日本コミュニティビジネス現場研修を数回行い、今回がその3回目の研修です。

〈研修日程〉
一日目:大阪市、NPO法人ハートフレンド
二日目:兵庫県、兵庫楽農生活センター
神戸市、北野工房の町
三日目:大阪市、大阪NPOセンター
三重県、伊賀の里もくもく手づくりファーム
四日目:伊賀市、道の駅あやめ
京都府、京都もやいなおし会

今回の研修は主に近畿地域を中心として行いました。食と農をテーマとした事業は勿論、地域再生のためのコミュニティビジネス支援事業、帰農・都農交流事業、子どもの居場所づくり事業、廃校舎の有効活用事業の現場を訪ね、多様な事例を視察することが出来ました。各団体の事業の理念や内容を聴いたり、プログラムを体験したり、施設を見ることによって、完州郡の事業へ良い参考になりました。同時に、参加した役員たちは各団体の関係者たちと活発な討論を行い、日韓交流を深める意味においても意義のある研修になりました。

※完州郡については、本サイト「韓国の地方都市」でも紹介しています。