12月 202009
 

2009年12月18日から21日まで、韓国全羅北道完州(ワンジュ)郡の視察が、「コミュニティ・ビジネスの中間支援組織」をテーマに行われました。

完州郡は韓国南西部、全州を取り囲むよう位置している郡で、人口約8万人、中山間地域で主たる産業は農業という地域です。(完州郡 韓国語サイト 英語サイト
希 望製作所は、完州郡と研究交流覚書(MOU)を締結し、農業を活性化し、住民参加のまちづくりを発展させていくために、地域資源の発掘調査、ビジョンづく りなどを郡と共に行ってきました。今年の3月に、完州郡はコミュニティ・ビジネスセンターを設立しますが、希望製作所からも研究員が派遣され、その運営に 携わっていく予定です。

今回の視察は、コミュニティ・ビジネスセンターの設立に向けて、完州郡の公務員と5名、希望製作所の研究員4名 が、コミュニティ・ビジネス推進にあたっての中間支援施設や行政の役割をテーマに実施されたもので、中間支援施設の運営をどのように行っているか、財政基 盤をどのようにつくっているか、行政がどのような役割を果たしているか、また、農業を活性化させる手立てをどうしているかを調査しました。

日 本希望製作所と完州郡とのご縁は、2007年に行った韓国自治体長の視察「朴元淳弁護士といく、日本のコミュニティ・ビジネスの現場」に林呈燁(イム・ ジョンヨプ)郡主(自治体長)が参加されたときからです。林郡主は「韓国でコミュニティ・ビジネスの最も盛んな地域にしたい」と、公務員や住民リーダーへ 学ぶ機会を提供し、海外への視察にも送りだしています。日本希望製作所でも何回か視察のコーディネートを行ってきています。

阪神淡路大震災が起こってから今年で15年ですが、いわばNPO活動の発祥の地ともいえる兵庫県を中心に、3日間の視察は次のように行われました。


【視察日程】

一日目 12月18日
NPO法人コミュニティ・サポートセンター神戸
北野工房のまち

二日目 12月19日
ふるさと回帰支援センター大阪事務所
・講義:「コミュニティ・ビジネスにおける中間支援組織と行政の役割」秋葉武氏(立命館大学産業社会学部准教授)
京都自由大学

三日目 12月20日
兵庫楽農センター
道の駅みき
エスコープ大阪

21日
NPO法人宝塚NPOセンター
NPO法人み・らいず


CS神戸と宝塚NPOセンターでは中間支援組織がどのように運営されているか、事例とともに説明していただきました。どちらも民間が中間支援組織を運営することの必要性を強調され、改めて、行政の役割というのを考える機会となりました。


ふるさと回帰支援センターでは、事務所で行われている移住の相談に若い人が来ているところを目の当たりにし、退職者や若い人に移住してもらうための各県の取り組みなどを聞きました。


NPO法人京都自由大学では、京都自由大学の会員の方、自治体職員の方たちが中心になって地域の自治と課題を考えていくNPO法人京都もやいなおしの会の方たちとの交流会をもち、公務員を職業とし、地域ではNPOの活動に取り組んでいる話をお聞きしました。


兵庫楽農センターでは、「農業を楽しむ」という視点から、趣味からプロまで農業に携わる人を支援するさまざまな取り組みを伺い、多くの人が訪れるという農家レストランで舌鼓をうちました。


エスコープ大阪では、女性たちの生活協同組合の活動からワーカーズコレクティブの活動まで、さまざまな話を伺いましたが、何よりも、関わっている女性達の熱い情熱に心打たれ、こんなに力強い女性たちに会ったのは初めてだという感想まで出ました。

み・らいずでは、若い人が地域でのNPO活動に関わり行っている事業について、また社会的企業を中間支援組織の支援を受けて設立する話を聞き、若い社会企業家に成長していく若者をどう発掘していくのかを考える機会になりました。

一か所あたりは短い訪問時間でしたが、訪問したメンバーからは、「地域の資源調査を、人を中心として、人を発掘する作業が必要だと思った」「住民として地 域のNPO活動に関わっている公務員は韓国にはほとんどいないので、印象的だった。」「人材に不足する韓国の地方として、これから教育事業が重要な役割を 担うと感じた」「農業を楽しむまでの余裕がなく、すぐに収益を生む事業にしていかないといけない韓国と日本の差を感じるとともに、農業をどう支援していく のか、改めて考えた。」などの感想が出ました。そして、この視察の成果を、コミュニティ・ビジネスセンターの運営で、すぐに役立てようとしている姿が印象 的でした。

年末の多忙な時期にかかわらず快く迎え入れて下さった各団体の皆さま方に、改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。