7月 182010
 

2010年5月の日本希望製作所のNPO法人化イベント(大阪)において、川内崇典 さん(NPO法人み・らいず 代表)が、日本希望製作所の韓国の社会的企業調査(2008年)に参加した感想も踏まえて、日本と韓国の社会的企業の違いについて、報告していただきました。

そちらの報告内容を掲載します。

社会的企業の日韓の違いを考える

川内崇典 さん(NPO法人み・らいず 代表)

2008年の夏に日本希望製作所の、韓国の社会的企業4泊5日の視察ツアーに参加させていただきました。その感想も含め、自分たちの活動の紹介もしたいと思います。

韓国では2007年7月に社会的企業育成法が制定されたということですが、日本の社会的企業と韓国の社会的企業は少し違うところを自分なりの解釈でご紹介したいと思います。

①      貧困層・失業者への対策に国をあげて取り組む韓国/社会的課題に取り組む個人にフォーカスをあてる日本

韓国の社会的企業は、ここには「脆弱階層に社会サービスまたは仕事を提供し、地域住民の暮らしの質を上げるなどの社会的目的を追求しながら、財及びサービスの生産・販売などの営業活動を遂行する企業」とありますが、どちらかということ、自分としては、貧困層や失業者に対する政策といった印象を韓国に行って強く感じました。

日本では、社会的企業よりも社会起業家に目が向けられ、私も若輩者ながら、教育テレビで「社会起業家の取り組み」といった形で紹介されました。

どちらかというと韓国の方は、社会的企業ということで取り組みや企業などに注目することが多く、日本の場合には社会起業家ということで個人にスポットライトがあったっている感じがしています。内閣府からも、「起業支援」ということで予算がついている。日本はどちらかというと、社会的課題をビジネスの手法を用いて解決することと言われており、分野としては、福祉や環境、まちづくりなどが多く、法人形態としては、NPOや株式などが多いと思われます。また、ソーシャルアントプレーナーとしての範囲は、コミュニティビジネスなどが多く、どちらかというと市民活動が中心となってできたものなのかという感想を持っています。

韓国の方はどちらかと言うと、失業者対策などの政府の政策として、人件費の補助であったり、大企業も社会貢献の一部として資金援助をしていたりと、社会的企業をバックアップしていく体制があり日本とは違うのではないかと思われます。

それでも、そこで活動される方とか、社会責任、社会活動などミッションの部分は日本も韓国も変わらず、社会的な課題を解決しようという姿勢には変わりはないのかという印象を持ちました。

②      韓国:政府が取り組むから必要なサービスが早く広がる

韓国では、政府主導で社会企業を応援していくということが制度化されていますので、私たちの活動よりは展開しやすいのではないかと感じました。

私が10年ほど前にNPO法人を立ち上げる時に、右も左も分からなくて、ネットで探して、大阪NPOセンターで教えてもらいながら何とか立ち上げましたが、地域でこういう活動をしているというパンフレットを作っても置いてもらえる場所もありませんでしたし、子どもたちのイベントをやりたいといった時に、お金がないので開催場所を探しても、NPOって何?という時代だったので、中学校すら借りられなかったという経験もあります。国としてのバックアップがあれば、もっと市民活動や社会貢献が進むのではないかと思っています。

ラーメイトでは、発達障がいの子どもたちの支援を行っていますが、発達生涯の子どもというのは6.7%くらいいるのでありますが、支援の方は足りていません。また、制度がないので、行くところがなくて引きこもりになったりしています。

国の支援もなく、民間サービスもなく、NPOの小さなサービスはありますが、これだけのサービスでは、ニーズに応え切れていないのが実情です。

③      日本:地域を舞台にした企業との連携の推進

私たちとしては、仕掛けとして、大手の塾との連携を考えています。自分たちのパッケージを大手の塾で展開してもらえれば、多くの発達障がいの子どもたちを助けることになるのではないかと考えています。大企業のフランチャイズのノウハウを活かすことで、社会福祉法人は全国で1万という数がありますが、その1万箇所で、自分たちのパッケージが実行されるようなビジネスモデルを考えています。今は、それをプレゼンしていったりしています。

また、作業所などで作られているものを自分たちで作って売るというよりは、今後は企業と連携しながら商品を開発して売っていくということも考えています。今は焼き鳥の事業をしようかと考えています。280円均一の企業さんと交渉していて、お店をうちにも造ってもらって、その代わりにセントラルキッチンの人材不足を障がい者就労で補い、福祉的収入が入るので、その収入を活かしながらうまく企業に働きかけて、WIN-WINの関係で仕事をしていくということができたらと思っています。

韓国では政府や企業の支援が多いとは聞いていますが、日本ではそのようなものがありません。しかし、企業も社会貢献を今後はやっていかなくてはならいということと、NPOや市民活動が日本でも盛んになってきているので、それらがうまくかみ合ってソーシャルビジネスが生み出されたらいいなと思っています。

④      韓国と日本で、若者の相互体験を

そのような感想を持った中で、韓国の若者に会いました。彼らは88万ウォン(日本円で約8万円)世代と呼ばれていて、韓国は今、有名大学を出ても就職できないという社会であり、若者は就職難であるそうです。

私は学生のころにサークルを立ち上げて、NPO法人として10年活動をしてきましたが、今も若者と一緒に地域の障がい者を支えていきたいと思っています。そういった活動を韓国の若者と一緒にもできたらいいのではないかと思っています。

韓国の学生がうちにインターンとしてきて、介護や障がい者の現状などの勉強をしていって、それを韓国に持ち帰った時には、違うものが生まれるような気がしています。

韓国との制度の違いなどもあるとは思いますので、交流していく中で勉強していけたらなと思います。