4月 062011
 

大災害で表に出た素顔

京郷新聞 2011年3月21日

人気が少ない東京 一人の日本人男性が17日の余震と福島原発事故による放射能恐怖で閑散とした東京市内の街で電話をしながら歩いている。東京|AP連合ニュース

18日の午前、日本青森県青森市の街。付近の福島県原子力発電所発の核恐怖が続いているが、住民たちは普段と変わらない様子である。出勤するサラリーマンたちの顔には落ち着きさえ感じられた。一部の大都市で起こっている買いだめ現象も全然ない。レストランには災害放送ではなくドラマや娯楽番組を視聴する住民たちもいた。前日の夜、青森駅周辺の居酒屋は夜遅くまで営業していた。笑ったり騒いだりする若者の姿も時々見かけられた。

同日午前、東京の商業中心地である銀座の街は混乱の真っただ中である。送電制限により、昼間の時間帯なのに暗闇の街である。商店とレストランの休業により人影も少なくなった。コンビニ前には非常食糧を買っておこうと市民たちが長蛇の列を作っている。食料品を買いだめする市民も増えているという。市民たちの顔に焦燥感が感じられる。

青森と銀座の街の対照的な様子から現在日本が直面した複雑な現実が断面的に見えてくる。

続く核恐怖で日本の素顔が表に出てきた。平常心を維持していた日本人が徐々に揺れている。不安の心理が反映された買いだめと犯罪など、無秩序な状況も起きている。もちろん日本人の象徴である節制と忍耐も相変わらず続いている。「落ち着いた」日本と「右往左往する」二つの顔を持つ日本が共存する。

大地震と津波、放射性物質の漏出というリレーのような災難により日本人の忍耐が限界に達すると、すぐ犯罪が増えてきた。特にエネルギー大乱によって貴重になったガソリンの窃盗事件が相次いでいる。NHKの報道によると、17日埼玉市見沼区にある市の防災倉庫でガソリンを入れた容器8個が盗まれた。付近の上尾市にある小中高校5か所でも倉庫に入れておいたガソリンと発電機がなくなった。仙台市では13日にガソリンスタンドでガソリン1ℓを盗んだ20代の会社員が現場逮捕された。

様々な犯罪が増え、16日の東京ではガソリンスタンド前で「割り込み」の喧嘩が起こり、一人の男性がナイフに刺され負傷を負った。同日の石巻市では閉まったコンビニにあるATMを壊した3名が窃盗未遂で逮捕された。秩序整然とした岩手県大船渡の避難所では性犯罪まで起こった。大地震の義援金を装った詐欺事件に関する相談の電話も増えており、日本警察庁が取り締まりに出た。

大都市では一部品目の買いだめがひどい。市民たちが非常状況に備え、牛乳、食パン、即席麺、トイレットペーパ、ミネラルウォーターを大量に購入している。そのため、大型スーパーチェーンのミネラルウォーター、牛乳などの注文量が急増している。生活必需品まで品薄状態になると、枝野幸男官房長官は17日の記者会見で「法的対応を検討する。冷静を保ってほしい」と強硬な方針を発表した。

特に17日午後の東京渋谷では数十万人の市民が集まり、「菅直人総理退陣」を要求するデモが行われたことは象徴的である。前代未聞の核危機と日本政府の無能力が重なり、日本人の自制力が消尽されているとみられる。

そうかと言って「人類精神の進化(イギリス・ファイナンシャルタイムズ)」と称賛された日本人特有の秩序意識と冷静さが崩壊したわけではない。外国人の「エクソダス」が加速化されているが、海外観光と出張を終えた日本人たちは続々帰国している。放射性物質の漏出危機で福島空港は連日脱出しようとする人々で混雑しているが、割り込みや大声が飛び出る場面はなかった。日本人たちはマスクをしたまま静かに列に並んで自分の順番を待っていた。

また、電力不足により大衆交通が麻痺されると、日本人たちは自発的に自転車を使って会社に行く知恵を発揮し、「自転車に乗る運動」が広まっている。運行する電車が半分に縮小された東京の駅には数百mの列に並んで淡々と待っている住民たちの秩序意識が保たれている。徹底した交通法規と順法意識はやはり揺れていない。

世界は第二次大戦後最大の危機に立っている日本の「二つの顔」を目撃した。

〈東京|ソ・イドン特派員・青森県|キム・ギボム記者〉

翻訳: コリチーム 沈池娟