8月 012012
 

全羅南道の南部沿岸に位置する麗水市では2012年5月12日から8月12日までの3カ月間、世界博覧会が開催されています。

この麗水万博の広報大使として「麗水開かれた合奏団」の子供たちが一昨年の秋に来日したのをご記憶でしょうか。2010年10月23日から28日までの滞日中、大阪のワンコリア・フェスティバルでの公演を皮切りに、京都、東京での演奏・交流活動を通じて麗水万博の広報に務めました。合奏団一行の滞日中の費用についてご支援をお願いしましたところ、宿泊や食事の提供、お菓子類やディズニーランド入場券のプレゼント、また、演奏する機会を頂戴するなどしました。そうした多くの方々の暖かいご協力と、日本希望製作所でインターンとして活動する韓国人留学生たちの献身的な努力によって、5日間の訪日日程を成功裡に終えることができました。様々な形で支えてくださった全ての皆様に改めて深く御礼申し上げます。

あれから1年半がたち、「麗水開かれた合奏団」が今どうしているのかをお伝えします。

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6月16日(土)の夕刻、麗水万博会場に程近い海洋公園の特設ステージに上がった14名の子供たち。この日は、万博の関連イベントとして麗水市文化芸術祭の公演が開かれていました。一昨年の秋に日本に来たときはまだあどけなかった子供たちが、きりっとした表情でアイネ・クライネ・ナハトムジークなどのレパートリーを堂々と演奏しています。

来日当時、高校2年で団員の中心的存在だったチョン・セハヌルさんとパク・ジスさんは、それぞれ晋州(チンジュ)と木浦(モッポ)にある大学のバイオリン科に進学し、普段は大学の寄宿舎で生活をしていますが、このように公演がある時は麗水に帰ってきて中高生の団員といっしょに演奏に参加しています。まだはにかみ屋さんだった男の子たちは背が伸びてすっかり高校生らしくなっていて、女の子たちもオシャレが気になるお年頃のようです。最年少は、まだ小学生のように体の小さな中学1年の男の子。舞台上には合奏団の団長でチェロ奏者の一員であるチョン・ハンス牧師の姿も見えます。合奏団の“オモニ”としてあらゆることを取り仕切るイ・イネ事務局長は、演奏の撮影に余念がありません。演奏のしめくくりは映画「カリブの海賊」のテーマ曲。技術的にも上達し、すばらしい演奏を聞かせてくれました。

合奏団は、キリスト教長老派の「麗水開かれた教会」のチョン・ハンス牧師夫妻が運営する「麗水地域児童センター」を拠点としています。麗水市の中心部にある市民会館の裏手にある地域児童センター(通称「コンブッパン(勉強部屋)」)には近隣の小学生20名、中学生15名、高校生10名の合計約45名の子供たちが通っています。家庭事情が複雑であったり、経済的に恵まれない家庭の子どもたちも多く、コンブッパンは、彼らが放課後に勉強する場所であるだけでなく、様々な文化体験の機会を提供することで学習意欲と自信を持たせ、前向きに社会生活を送ることができるようにしています。美術家や映画制作の先生を招いて作品づくりをしたり、バイオエネルギーについて学んだりすることもあります。

その一環として10年ほど前に始まったのがバイオリンやチェロ、フルートなどの楽器を習うことです。ここに通う小学生全員がいずれかの楽器を演奏できるようになるよう、専門家の指導の下、放課後練習しています。指揮者の先生は車で2時間以上かかる光州から週末に来てくださっています。こうして、少しずつ成長していった合奏団は、現在1か月に2回ほどのペースで公演活動を行っています。全国にある地域児童センターのなかでも唯一の合奏団として新聞紙上でもよく取り上げられるため、韓国の他の地域の子どもたちにも希望を与える存在になっています。

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現在、世界博覧会によって賑わいをみせている麗水ですが、元々美しい自然景観と海産物が豊富な海洋観光都市です。ソウルから飛行機で50分、KTXでも3時間40分で行かれますので、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。


2012麗水万博公式ホームページ http://jpn.expo2012.kr/
麗水市観光情報 http://ystour.kr/jp/main.jsp