11月 042012
 


8月24日~26日、ソウルを訪問したフェア・トラベルから、早いもので2カ月が経ちました。
スピードの早い韓国です。その後どのような変化があったのでしょうか?

ソウル特別市マウル共同体総合支援センター開所式
最初に訪問したソウル特別市マウル共同体総合支援センターは、9月11日に、オープニングセレモニーが開催され、朴元淳市長も列席しました。挨拶のなかで朴元淳市長は、マウルの活動家が中心になってソウルのまちづくりを進めていくことの重要性を強調しました。そして、その中間支援事業を、ソウル市がサポートしていくことを約束しました。
また、ゆっくり時間をかけながら地域共同体(コミュニティ)をつくっていくことが、貧困、犯罪、青少年問題など、都市が抱えるさまざまな問題を解決していくことになるだろうとセンターに寄せる期待を語りました。
(セレモニーの様子がこちらでご覧になれます)
すでに、私たちが訪問したときでも、センターでは、ソウルのまちづくりを支援する多くの事業が進められていましたが、まちづくり、協同組合、マウル企業などなど、社会的イッシューを取り上げたセミナーや、マウルの活動家を育成する教育事業をはじめとした様々な事業を、矢継ぎ早に進めています。
ソウル市を「希望ソウル」につくっていく「ハブ」としてのセンターに、今後も注目していきたいと思います。

ソンミサンマウル、チェゴンマウルのその後
 現在韓国では、「社会経済」「共有経済」の議論が盛んです。ソンミサンでもマウルの経験を広く共有すべく、11月10日にはイベントが開かれます。また、マウルの住民でもあるドキュメンタリー作家が、マウルの物語をドキュメンタリー映画にして、釜山国際映画祭に出品し、作品のしての評価も得たということです。機会があれば、ぜひ見てみたいと思います。
 昨年、ソンミサンを訪れた人はなんと5000人だそうです。それは、住んでいる人達にとっては、いいこととは言えないでしょう。まちづくりの「モデル事例」とされ、外から人がたくさん訪れたりすることが、そこで生活をしている人たちにとって、配慮あるべきでものであるように、気をつけたいものです。

朴市長とラスキ氏(前列左から2人目)


そして、コミュニティボイス代表で、元ACORN代表のウェイド・ラスキ氏がソウル福祉財団の招聘で韓国を訪れました。
韓国に行く前に日本にも立ち寄ったそうです。韓国では、ソンミサン・マウルを訪問したり、代案大学を模索する若者たちと対話し、その訪問記をご自身のブログに載せています。アメリカのコミュニティ・オーガナイザーの代表者は韓国や日本をどう見たのでしょうか?

Challenges of the Young as Workers and Students in Japan and Korea(英語)

Using Community Organizing to Change the Welfare System in Korea(英語)

 ソウルのチェゴン・マウルをはじめとした貧民地域はACHR(アジアの居住権に関わるNGO)が支援しています。韓国での窓口はアジアで貧困地域の支援をしているNGO、ASIAN BRIDGEです。8月にもソウルで国際ワークショップが開かれ、チェゴン・マウルをはじめとした貧民地域の住民たちが多数参加し、アジアのスラム街の住民リーダーや、アジアの支援者たちとも交流しました。その場に朴元淳市長も参加し、チェゴン・マウルの住民たちと対話をしていくことを約束しました。
ACHRのプロジェクトは継続し、チェゴン・マウルもその後、頻繁にソウル市と会合を持ちながら、代案を模索しているようです。国際的なネットワークも持って、その経験をお互いに学び合いながら、現場のなかに取り入れていく実践は、日本も学ぶところが多いのではないかと思います。

 ソウル特別市マウル共同体総合支援センターのオープニングセレモニーで、延世大学のチョ・ハン・ヘジョン先生は、「日本は『無縁社会』へと突入し、社会問題になっています。韓国はまだエネルギーがある時に、何とかしないといけません」といった内容のことを祝辞で語っています。
日本はいい意味でも悪い意味でもモデルを提示しています。
日韓には共通する多くの課題があります。
今後も、お互いの取り組みに参考になるような情報交換の場を設けていければと思います。
(桔川純子)