2月 042013
 

左から 朴巨用祥明大教授、金南槿弁護士、渡辺昭男 神戶大學大學院敎授

2月22日、「大学教育の発展と登録金(授業料)問題解決のための第2回国際シンポジウム― 韓・日・美 三か国の高等教育の公共性の強化と無償教育についての徹底討論」がソウルの祥明大学で開催されました。日本側は大学評価学会、韓国側は参与連帯が中心となり、昨年の8月の京都開催に引き続き2回目の開催です。

韓国では登録金(入学金+授業料)が一千万ウォンを超え、景気低迷のなかで支払いを苦にした自殺者なども現れています。子どもが一人生まれて大学を卒業するまで、2億6204ウォン(2009年基準)がかかることが試算されていますが、そのことが少子化の大きな原因にもなり、登録金問題が大統領選挙の争点にもなるなど、大きな社会問題にもなっています。そして、2004年には、全国500余りの学生、保護者、市民、教育団体が連帯して「全国登録金対策ネットワーク」を結成し、登録金の半額を訴える運動を展開しています。すでに、朴元淳市長のソウル市では、ソウル市立大学の登録金半額化が実現し、それに続き、江原道立大学、忠清南道大学でも登録金が引き下げられています。

討論会:大学教授、学生、市民活動家が参加し、議論した


日本では、日本国憲法や教育基本法で、法の下の平等、能力に応じて教育を受ける機会を与えられなければならないということを保障しています。日本政府は、国際人権A規約13条「無償教育の漸進的導入」を留保していましたが、昨年9月11日には、その留保を撤回しました。2010年には高校の授業料は無償となりましたが、朝鮮学校の授業料は除外されました。

2004年に国公立大学が法人化され、大学評価が法的に義務付けられるなかで、「学問の自由」と「大学の自治」を守り発展させるために、多様な視点から大学評価のあり方を検討するということを目的とし、大学評価学会が設立されました。
 
今回、OECD国家のなかでも学費の高い韓国、日本、アメリカの三カ国の状況を比較しながら、大学、人材を育成するために欠かせない「教育」の公共性などについて議論し、高等教育無償化のための研究と運動の連帯が確認されました。
 「受益者負担」ということから、日本では、本人、保護者が学費を負担すべきという認識が強いそうですが、組織も社会も「ひと」がすべてであるということを考えるなら、誰が受益者なのかは明白ではないでしょうか。 (桔川純子)