2月 202013
 

ソウル市内の瓦屋根を再発見する希望探査団のイベント

イギリスの慈善助成財団Charities Aid Foundationが2012年に行ったWorld Giving Index (寄付指数調査)によると、「金銭による寄付」「ボランティア活動」「見知らぬ人を助ける」といった指標で韓国は世界146か国中45位(日本は85位)という結果でしたが、2010年の89位から大幅に順位を上げ、寄付文化の環境づくりが着実に進んでいるのが韓国の市民社会です。

希望製作所の募金専門家学校

欧米では、ファンドレイジングの専門家は社会的認知度も高く、嘱望される職業の一つですが、そうした募金の専門家を韓国でも養成しようと募金専門家学校を導入したのが、希望製作所の常任理事だったパク・ウォンスン氏(現ソウル市長)でした。一般的な募金活動では、困難な状況にある人を助けてほしい、というような一時的な同情に依存するため、募金が継続していかない場合が多く、また、規模が小さい非営利団体においても継続的な支援を受けることができるシステムが整っていないため、厳しい運営状況におかれています。そうした団体がファンドレイジングを効率的にできるように支援する役割を果たすのが募金専門家で、既存の募金方法から脱皮し、戦略的に募金活動をすることができる人材を育てることが必要だと希望製作所は考えました。

カリキュラムは11週間にわたりますが、働きながら学べるように週に1回約半日のプログラムが組まれています。1週目は募金についての理解を深めるための講義、2週目には実習のための募金事業の選定、3週目には泊りがけのワークショップを行い、グループごとに議論を深めて戦略的な募金のための企画案を作成します。4週目以降は企画を効果的に実施するための募金マーケティングやコピーライティング、オンライン募金やSNSの活用、CSR説得戦略などについて学びながら、提案書の作成や中間発表などを行い、10週目には募金にかかわる税法や法律を学び、11週目に総仕上げとして募金実習の最終発表と評価を行い終了となります。2008年からはじまった募金専門家学校で学んだ人は、これまで7期344名に上ります。

ホープ・メーカーズ・クラブ


希望製作所の会員組織とプログラム

こうしたノウハウは、当然のことながら希望製作所自身の支援者募集、すなわち会員システムにも活かされています。希望製作所の支援者は、
1) 一般会員(一般市民、月10,000~50,000ウォン寄付)
2) ホープ・メーカーズ・クラブ(HMC, オピニオンリーダー的な市民の組織、10万ウォン又は年100万ウォン寄付)
3)1004 <チョンサ=発音が‘天使’と同じ>クラブ(3年間かけて各々の方法で 1000万ウォン以上寄付)
といった構成になっています。

韓国社会の民主・革新をもたらす研究事業を支援したい人や、創立者のパク・ウォンスン現ソウル市長に信頼を寄せる人、主として30~40代のホワイトカラーの人達が希望製作所の会員となり、様々な関心によって会員向けプログラムに参加しています。1004クラブでは一人一人がソーシャル・デザイナーとしてどのようにして寄付のお金を貯めたのか(家をゲストハウスに開放して得た金であったり、ハイブリッド車で節約したお金であったり、お寺に参拝する毎に100ウォンを貯めた、etc.)といったMy 寄付ストーリーを語ります。

一般会員のためのプログラムも充実していて、キムチ鍋デイ、希望探査団、江山愛(山や川をハイキング)、地域会員デイといったイベントが定期的に行われています。希望探査団では会員とその家族も参加して、ソウル近郊の歴史探訪をしたり、農村体験や地域活性化の取り組みをみたり、社会的企業を訪問したりといった様々なテーマで毎月プログラムが組まれています。「北漢山を歩いてから希望製作所に寄れば、我々の社会の希望がみえる!」といった企画も会員のさらなる関心とモチベーションを増す力となります。

希望製作所は、この3月で設立から8年目を迎えます。 “Think and Do Tank for Social Innovation”をリードする韓国屈指の市民団体として、これからも独立・参加・実用・ビジョンづくり・地域・現場・総合といった価値観を市民社会に普及させるために、ますます頑張っていきます。