10月 102013
 

大分県竹田市で‘第2回フェア・ツーリズム国際大会’が9月25日から27日まで開かれました。日韓同時並行的に対等かつ公正な持続的交流を通してフェア・ツーリズムを普及させることを目的に2012年から始まった大会です。去年は韓国の「南の宝島」と呼ばれる南海郡で‘第1回フェア・ツーリズム国際大会’が行われました。私は通訳担当ボランティアとして今回初めて参加することになり、韓国から出発しました。

竹田市の久住公民館で開かれた‘第2回フェア・ツーリズム国際大会’の開会式の後は東洋大学社会学部の青木辰司教授と京畿大学校観光学部オム・ソホ教授のお二人の基調講演がある予定でした。しかし韓国各地から集まるために時間がかかり、また予想外の交通渋滞もあって3時間も開始が遅れてしまったため、懐かしい人たちと挨拶を交わすとすぐに式が行われました。持続可能な観光と地域活性化について韓国の事例を紹介しながら説明したオム・ソホ教授の基調講演に、日本各地から来た実践者たちは熱心に耳を傾けていました。

基調講演に引き続いて行われたパネルトークでは、日本グリーンツーリズム・ネットワークセンターの青木辰司代表理事、奈良県立大学地域創造学部安村克己教授、竹田市の首藤勝次市長、持続可能な観光社会的企業ネットワークのナ・ヒョウ代表がパネリストとして参加しました。1時間という短い時間の中で、エコ・ツーリズム、フェア・ツーリズムといった用語と概念に関する話や、フェア・ツーリズムのこれからの課題について議論が行われました。パネルトークの後、参加者たちの質問が相次ぎましたが、時間が足りなかったのはやや心残りでした。

夕方には歓迎レセプションが行われ、‘第2回フェア・ツーリズム国際大会’の参加者たちは、ホテルのロビーから日本の和太鼓演奏による歓迎を受けました。テーブルごとに日韓の参加者が混ざって座り、一緒に食事をしながら会話をして友情を深めました。参加者たちの宿は竹田市のフェア・ツーリズムの実践者たちが運営している民宿でした。後で聞いた話によると、宿でも夜遅くまで交流会が続いたということです。

二日目には6つの分科会に分かれて活動しました。私は第二分科会に所属して通訳を担当しました。第二分科会のテーマは「国際交流における言語・食・文化の理解の在り方」で、二つの体験活動の後、意見交換をする予定になっていて、午前9時30分頃、参加者は民宿「森のぶらんこ」に集まりました。名前の通り、ヒノキを使って建てられた民宿の中には本当にぶらんこがありました。子供の頃の思い出を想い起こさせるぶらんこのおかげで、参加者たちはすぐに親しくなりました。民宿からそう遠くない場所に倉庫があり、オーナーの甲斐さんが体験活動のための仕込みをしてくださっていました。甲斐さんが「森のぶらんこ」の紹介をしてから、木工体験が始まりました。まず、参加者たちが挑戦したのはペンスタンド作りでした。甲斐さんがあらかじめ用意してくださった木片に穴を開けて表面をツルツルにする作業に皆すぐ夢中になりました。ペンスタンドを完成させた人は竹のコップ作りをしました。言葉は通じなくても、お互い助け合いながら作った作品を見て皆大満足でした。

次の体験は料理でした。久住公民館に移動して調理室に入ると、すでに久住地域の食材が揃っていました。ひまわり亭の本田さんの指揮に従って、韓国側のおじさんたちはチヂミを、日本側のおばさんたちはカレー、天ぷらなどを作りました。約1時間で出来上がった見た目も味も良い見事な料理は自分たちの昼食になりました。他のどの分科会よりも美味しいランチになったと断言できます。

ランチを済ませた後に、A組とB組とに分かれて意見交換の時間を持ちました。私が所属したA組は短い自己紹介から始めました。大体の参加者が民宿を運営している方だったので、民宿運営について思うこと、国際交流をしながら感じたことなどを話し合いました。話の中で共通して出たのが「言葉の壁」ということでした。しかし言葉よりも心のコミュニケーションがもっと大事であるという結論に至り、言葉の問題については各自の努力が必要であることで一致しました。夕方には第1分科会と第2分科会が一緒に集まっての交流会があり、前日よりも少ない人数に分かれたので、より深い話が出来ました。

最終日は竹田市総合社会福祉センターで閉会式が行われました。朝早くから集まり、前日の話をしたらすぐに式が始まる時間になりました。第1分科会から第6分科会までの報告を聞き、総合討論の時間を持ちました。そして大会宣言文を発表し、最後に‘第2回フェア・ツーリズム国際大会’の参加者全員が互いへの拍手を送り、全日程を終了しました。

この大会に参加する前は‘公正旅行’という言葉がフェア・ツーリズムのことを指すのだということは漠然としか知りませんでした。滅多にない機会を得て‘第2回フェア・ツーリズム国際大会’に参加させていただき、美しい大分県の自然を見て、美味しいものをたくさん食べて、多くの人と出会って、良い話を聞くことが出来ました。中でも一番良かったのは、自分にとって「旅行」とは何かについて考える機会が得られたということです。そういう意味でも良い旅行になりました。オム・ソホ教授が話しておられたように、次の大会には中国の実践者たちも参加してたくさんの人たちが出会い、フェア・ツーリズムの概念がさらに広がるように願っています。
イェ・ウンジ<元日本希望製作所インターン>

韓国語版はこちら