6月 242014
 

大磯ガイドボランティア協会の山田さん

6月15日、夏めいてきた日差しの中、神奈川県にある人口3万人余の小さい港町、大磯に行ってきました。新宿から1時間ほど電車に揺られながら居眠りをしていたら、14時頃ついに大磯に到着。まずは、大磯町立ふれあい会館に向かって、大磯ガイドボランティア協会の山田さんとNPO法人西湘を遊ぶ会の原大祐さんに会いました。お二方からは、大磯の歴史と大磯市(いち)が出来た経緯や市の概要について直接お話を伺うことができました。

山田さんの話によると、大昔の西暦666年頃、新羅との覇権争いで負けた高句麗人の一族が朝鮮半島から日本に渡来して大磯に居住していたとされています。大磯の東にそびえる「高麗山」という山の名から大磯丘陵に所在する大陸式横穴墓群等の遺跡まで、はるか昔から結ばれてきた縁の足跡が今も残されていることを考えると、何か不思議な気持ちになりました。

NPO法人西湘を遊ぶ会の原大祐さん

海沿いの町である大磯は、明治時代に日本初の海水浴場が開かれた所です。その後、時の総理大臣など要人の別荘地として名を馳せたり、大磯ロングビーチの開発で保養地としても脚光を浴びていたそうです。しかし、今はそのブームはしぼみ、他の地方小都市と同様、高齢化や空き家問題等の課題を抱えているのが現状です。このまちに再び活力を取り戻すため、まちの「リノベーション」を考える人たちが集まり、企画したのが「大磯市」という定期市でした。大磯市を誕生させた張本人の一人の原さんは、この企画には二つのコンセプトがあったと言います。一つは「まち全体を市場に」するということ、そして二つ目には「若者たちにチャレンジする機会を」与えるということ。出店には次のような条件も付いています:①大磯や周辺地域の住民であること、②大量生産したモノや大手企業によるモノではないこと。

高麗山頂上で


以上のようなコンセプトの下で2010年9月に初開催して以来、多くの観光客が大磯市を訪れ、市は成果をあげているそうです。毎月第3日曜日、大磯港では地域住民と観光客が共に楽しめるフェスティバルのような市が開かれます。安くて新鮮な農水産物を始めとする地域の特産品やキュートな手作り雑貨、また、海の見える芝生で楽しめる美味しい屋台料理と、アーティストの公演等が、訪問客の目を引くようです。

原さんのお話を聞いていたら、早く大磯市に行きたくなりましたが、その日は夜市で17時から市が開かれる予定でした。開場までまだ時間もあり、町歩きを兼ねて高麗山に登りました。登りながら、山田さんの話から出た横穴墓も直接見ることができました。頂上ではおやつを食べて休憩しながら、旅に同行してくださった理事の菊地さん、ドキュメンタリー監督の早川さんとみんなでゆっくり話す時間を持ちました。山を降り、海辺に沿ってしばらく歩いていたら、にぎやかな音と美味しい匂いが近づいて来ました。大磯市はすでに人々でごった返していました。

大磯市で原さんと町長の中崎さんと一緒に

市を見て回り、芝生の上で車座になって屋台料理で腹を満たして帰りました。美味しそうな料理があまりにも多かったので、何を食べるか、選ぶのが大変でした。悩んだ末選んだ、とれたて焼きたてのイカ焼きの味は、当分忘れることができないでしょう。

  文: イ・ソホン/東京大学大学院生