9月 172014
 

【韓 – 日関係】こう解こう(下)
両国市民団体関係者座談会

韓日両国の市民団体の関係者らが4日、ソウル鍾路区通仁洞の参与連帯会議室で「平和に向けた一つの声」をテーマに意見を交わしている。左からハ・ジュンテ韓国青年連合(KYC)代表、ナ・ヒョウ アジアン・ブリッジ運営委員長、菅原敏夫日本希望製作所理事長、井上良一自治創造コンソーシアム理事。


<参加者>
菅原敏夫日本希望製作所理事長、井上良一自治創造コンソーシアム理事、ナ・ヒョウ アジアン・ブリッジ運営委員長、ハ・ジュンテ韓国青年連合(KYC)代表
<司会>
イ・ヨンイン/ハンギョレ新聞政治部統一外交チーム長

“市民の立場で韓日関係を見てみよう”

去る4日、ソウル鍾路の参与連帯会議室で韓日の市民団体関係者4人が集まった。継続的に韓日間の交流の先頭に立ってきた彼らは、集団的自衛権の行使のための憲法解釈、軍慰安婦の強制性を認めた河野談話の検証作業など、最近の日本の右傾化の歩みについて深刻な懸念を表明した。彼らは、行き詰まった韓日関係を紐解くために韓日の市民が一緒に「戦争をやめよう」という宣言をして、各国の軍隊の動きを共同で監視しようという提案などを出した。

司会 去る7月、日本の安倍晋三政権が集団的自衛権の憲法解釈を新たにして、韓国で懸念の声が高まっています。この問題からお話ししましょう。

ナ・ヒョウ アジアン・ブリッジ運営委員長(以下ナ・ヒョウ)日本でも世論調査を見れば、集団的自衛権の反対世論が高いようだ。実際の雰囲気はどうなのか?

菅原敏夫日本希望製作所理事長(以下菅原)日本社会でも非常に心配しており、これにより、安倍政権の支持率が「大幅に」までではないが、落ちている。個人的にも、日本の集団的自衛権の行使に反対する。集団的自衛権の行使の最前線はまさに沖縄県である。沖縄は尖閣諸島の最前線であるため、集団的自衛権の発動により自衛隊の行動と米軍の影響を最も大きく受けることになる。ここで11月に県知事選挙がある。沖縄県民が直接集団的自衛権行使の決定をすることができる権利を持っているわけではないが、今回の知事選挙で与党が負ければ、政治的影響が大きいため、重要な局面を迎えていると思う。

菅原日本希望製作所理事長
11月の沖縄県知事選挙が 「集団的自衛権」の評価尺度になる

井上自治創造コンソーシアム理事
日本の国民は平和志向の意識が高い…
国が対立しても市民は交流しなければ

ハ・ジュンテ韓国青年連合代表(以下ハ・ジュンテ)日本の市民の反対の声が大きいのに、安倍政権がこの問題を引き続き推し進める理由は何か?

井上良一自治創造コンソーシアム理事(以下井上)、その背景には、選挙がある。民主党が3年間政権の座にあったが政策的な未熟さで失敗し、国民の信頼を失ってしまった。野党が回復不可能な状態にされ、与党が絶対多数の国会で反対勢力をなだめたりすかしたりしながら多数派政権として自分たちが思っている方向に押していった結果、現在の集団的自衛権の行使が閣議決議で承認されたとみている。安倍首相が「積極的平和主義」と言ったが、それは国民をなだめるための方便である。そう言わざるを得ないほど平和についての国民的志向が強いということだ。安倍がそう言うしかないのが今の状況である。選挙で変わる可能性はある。しかし、今の状態で容易ではないようだ。

司会 集団的自衛権と関連して、日本の市民団体の方から韓国の市民団体に提案し、共同ですべきことがあるか?

菅原 日韓の市民の間で戦争をしないという「不戦の誓い」のようなことを共有することが必要である。日本の自衛隊がどこにどのような理由で行っても反対し、韓国の軍隊がどこに何をしに行くのかについて、日本の市民も反対していることが重要だと思う。私は、日韓市民社会フォーラムを行ってきたが、目標は北東アジアで平和共同体を作ることだった。日本も戦わず、韓国も海外に戦うために出ていかないことを共有することだった。

ナ・ヒョウ アジアン・ブリッジ運営委員長
来年村山談話20年・光復70年

8・15正しい北東アジア市民平和宣言を

ハ・ジュンテ韓国青年連合代表
両国の青年たちと共に企画を通じて
歴史に関する「同じ記憶」を作成すれば

井上 20年前、私は神奈川県の職員だった。長洲氏が1975年から20年間知事だったが、国際交流について民際(民間)外交という言葉を使った。 「ピープル・トゥ・ピープルディプロマシー」と言えば理解が容易である。市民間の外交・交流を通じて、相互間の認識を共有しながら、仲良くなり、国際的な課題を解決する発想だった。私は国際関係を危機的状況に陥らせないために「民際外交」が最も重要だと考える。国や政府が体面と名分のために対立しても、市民は互いに交流し、お互いの認識が一致していけばよいと思う。

司会 集団的自衛権の問題を媒介として、両国の市民団体がどのように平和に向けて連帯することができますか?

ナ・ヒョウ 来年2015年は、いくつかの意味がある年だ。村山談話が発表されて20年になり、韓日国交正常化50年、光復70周年となる。集団的自衛権は、何らかの形で戦争に参加することができるという表現であるため、かなりの脅威で、北東アジアの秩序を害するという憂慮が大きい。今後、日本だけでなく韓国、中国など北東アジアで「どのような形の戦争にも反対する」は、幅広い宣言をしてはどうだろうか。このような宣言の基礎を今から積み上げていき、来年8月15日、韓日市民社会団体間の宣言をするのだ。

ハ・ジュンテ 市民社会の日韓交流が非常に難しくなった。政治的問題が最も大きいが、経済的な問題にも影響を及ぼす。日本でも韓国でも20代から40代までの人たちが日常生活を送りながらビジョンをもって家族の生計をたてていくのがますます難しくなっている。専門家だけの交流や動きではなく、日韓青年市民が簡単に参加できる企画を共同で設けて、草の根レベルでも何か行動することができるイベントを用意することが重要ではないかと思う。歴史問題や平和の問題もいくらでも今の若者たちの情緒に合わせて簡単に参加できるプロジェクトを用意すれば、青年たちの関心を引くことができると考えている。

司会 韓日市民社会間の交流は以前よりかなり弱まってしまった。それでも、私たちに希望があると言うことができるとすれば、その根拠は何か?

井上 私は、これからの社会は、大きな国とか国単位の集権的構造ではなく、分権化された形態のさまざまな活動が発生していき、こうした方向性は、日本だけではなく世界的に見てもそのように進んでいくと思う。分権化、分散化している中で、さまざまな活動をそれぞれの地域でさらに強化させていくことが望ましいと思う。

菅原 日本も、韓国も非正規職の若者の貧困問題を解決していないため、お互いを知りたい気持ちがあるのであって、これが交流が可能であるという希望になる。

ナ・ヒョウ 今の時代は、私たちが懸念するのは、過去に向かう感覚、暴力的な過去に行く感じを消すことができない。このような時代に何としても平和を打ち立てる公正で新しい未来を作ることに協力して欲しいと思う。

ハ・ジュンテ JYJという歌手グループがいる。日本で公演したときに、Twitterで日本の若者と韓国の若者がファン層を形成して準備し、一緒に観たという。以前に比べると韓国人の日本への反日感情はかなり減った。目に見えないが、個人、企業、国家、市民社会間の交流の成果ではないかと思う。韓国と日本の市民は、同じ歴史について異なる記憶を持っている。継続的な交流とふれあいを通じて、東アジア近代史のような記憶を作っていく努力を継続しなければならない。

チェ・ヒョンジュン記者(2014.8.14 ハンギョレ新聞インターネット版)

原文: http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/651281.html