1月 272015
 

sympo41月13日(火)、ソウル市庁舎多目的室で、ソウル市マウル共同体総合支援センター(以下マウルセンター)主催、「2014年住民が樹立する『マウル共同体活性化計画樹立テスト事業』、事業プロセス発表会&延藤安弘教授招請講演会」が開催されました。対象者は、ソウル市及び市内各区の公務員、まちづくり活動家で、参加者は250名を越えました。

<マウル共同体>事業は、朴元淳市長の重要政策でもあり、マウルセンターの運営は、ソウル市から委託を受けた民間団体「社団法人マウル」が担っています。ソウル市のマウル共同体事業は、住民3人からの小さな事業を助成し、横断的に広がるネットワークを形成しながら、住民自治を後押ししていくというものです。

13日は、ユ・チャンボク マウルセンター長の挨拶から始まり、テスト事業として進めた2か所の事例が報告されました。一つ目の発表は、「九老区チョナン洞の事業プロセス発表:お祭りからマウルの計画まで」(キム・ソンウ:チョナンマウル計画樹立団)、二つ目の発表は、「広津(クァンジン) 区クイ洞、チュンゴク洞『マウル計画ワークショップからアジェンダ樹立まで』(キム・ヨンヒ:アチャサン麓のマウル計画樹立団)でした。
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マウルセンターでは、マウルの助成事業を始める前に、地域で「芽生えている住民たちの活動」発掘調査事業を行っており、まずは、その「芽生え」のある地域から支援を始めました。今回の2か所は、その中でも、大きく育ったところだといえるでしょう。発表されたキム・ソンウさん、キム・ヨンヒさん、お二人ともその地域に住んでおられる住民の方で、「最初は、3か月で何かやってみるなんて、とてもできないと思った。でも、やってみたら、何か少し前に進んで、ちょっとできたような感じがした」と生き生きを話しておられたのが印象的でした。

そして、休憩をはさんで、NPO法人まちの縁側育み隊(http://www.engawa.ne.jp/)の代表理事、延藤安弘先生から、世田谷、真野といった地域の取り組みに続き、名古屋市中区錦の長者町での取り組みの紹介と、住民が主体となるまちづくり、「参加のデザイン」のプロセスについての講演がありました。と言ってもただの事例発表ではなく、延藤先生真骨頂の「幻燈会」(延藤先生の画像を見ながらのプレゼンは、こう呼ばれています)です。通常は、マクロ、ミクロといった視点から2つの画像が二段構えに映写されるのですが、会場の都合により今回は一つの画像でした。しかし、大阪弁を交えた<語り>はそのままで、ダジャレを交え、笑いのつぼをおさえた講演には、同時通訳の人もかなり苦労されていたようでした。endo sensei

実は、1990年の延藤先生の著書『まちづくり読本―こんな町に住みたいナ』(晶文社)が、かつて韓国で翻訳出版され、それを通じて韓国に「まちづくり」が紹介されたということを、私も、今回始めて知りました。延藤先生のお話には、住民の方たちが実名で登場します。「このとき町内会長の○○さんはこのように言われたのです~」というように。聞いている人はもちろん知らない人なわけですが、でも、名前が語られることによって、一人一人の人が主人公として登場する物語だということが分かります。単なる事例報告ではなく、そこには登場する人々への敬意(ときにはcommon catやdogのこともありますが)と愛情が感じられました。私が感じたことは、そこで聞いていた人たちも、たとえ通訳を通じてであっても、感じられたのだろうと思います。講演のあと、先生のところに行列ができていましたから。

sympo1今回、4泊5日を延藤先生とご一緒させていただきましたが、私にとっても学びの多い時間でした。イベント以外の日は、すでに有名になったソンミサン・マウルや、センターお薦めの地域のフィールドワークをし、住民の方たちと懇談会をもちましたが、小さな住民自治が進んでいるのだということを実感しました。そのお話は、また改めてお伝えしたいと思います。<桔川純子>