2月 262015
 

maeul3ソウル市マウル共同体総合支援センター主催のセミナーがソウル市庁舎で開催され、延藤安弘先生幻燈会が開かれたことは、前回お知らせしました。そのセミナーの前後、何か所かの現場でフィールドワークが行われました。今日は、訪れたうちの一か所、道峰(ドボン)区の「森のなかの愛」についてご紹介します。「森のなかの愛」は、ソウル市の「2014大韓民国今年を輝かせたヒット商品」に2年連続で選ばれ、2014年6月1日~8月15日に米コロンビア大学で開かれた「PROJECT INNOVATION:THE INNOVATION MINDSET CHALLENGE」公募大会で、2位に選定された、いま注目が集まっている取り組みです。
                                               
mauel1道峰区は、道峰山の麓に広がる緑豊かなソウルの中の自治区です。しかし、道峰区のサンムン洞のアパートに住む子どもたちの遊びといえば、コンピュータゲームやスマートフォンばかり。せっかく近くに暮らしていても、子どもたち同士で遊ぶ姿もあまり見ることができませんでした。そんな状況を憂い、保護者や地域住民の人たちが、「自然のなかで遊べる環境をつくろう」と思い立ち、居場所になるようなところを見つけました。2012年のことです。ただ、林のなかにあるその建物は10年以上も廃墟になっていて、周囲の環境も、よく言えば緑豊かですが、まったくの荒地でした。所有も、ある一族の所有でしたが、誰かれと入ってきてはゴミを捨てたりするような状態でした。それでも、子どもたちのために、と一念発起した住民24名が集まり、出資金1000万ウォンを集め、その土地を借り入れることができました。毎月30万ウォンの使用料も必要でしたが、それも会員を集めました。廃墟も住民たちが自らリノベーションして、小さな居場所が出来ました。「森の小さな家」の誕生です。
          
小さな居場所が出来てからは、子どもから大人まで、自由に出はいりする空間となり、一緒に食事をしたり、開いている空間で菜園を始めたり、工作をしたりと、自然と共生する子どもの遊び場兼地域住民の居場所となっていきました。

現在は、何かあるときは、約180人が加入するオンライで会議を開いたり、またオフラインでの対話を重ね、「森のなかの愛」を協働で運営をしています。大工仕事、広報、工作、住民たちが得意分野を活かして、それを持ち寄って、さまざまな講座や作品が出来上がっています。
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リノベーションしたときのオープニングには、朴元淳市長も訪れました。住民たちの活動を支援するために、その土地はソウル市が購入することとなり、現在では、道峰区、ソウル市の支援も受けながら、住民たちの自律的な営みが行なわれています。住民主導のまちづくりとして学ぶべき点が多いと、現在は多くの視察も訪れているようです。  <桔川純子>