10月 292015
 

今年の9月、10月に韓国のハンサリム生協の連合会と2つの単協が、それぞれ生活クラブグループを視察されました。昨年はやはり韓国のiCOOP生協が視察に訪れており、旺盛な学習意欲に驚くと共に、共に視察のテーマが「福祉事業」という点が興味深いことです。韓国の生協は2000年代半ばから事業的な成長過程にはいり、2010年の生協法の改定によって、それまで農産・水産・畜産関係とオーガニック商品しか取り扱うことができなかったのがその規制がなくなり、全てのカテゴリーの商品の取り扱いができるようになり飛躍的に成長を遂げました。

一定の事業的な成長をとげた中で、今後、どのような政策をもち韓国社会の中で事業的、また運動的なポジションを目指していくのか、とても興味がわくところです。

生活クラブは共同購入事業が中心の生協ですが、首都圏では90年代から福祉事業にも力をいれており、東京、神奈川、埼玉、千葉の4つの都県の生活クラブグループで展開している福祉事業の事業高は130億円を超える規模となっています。生活クラブの福祉事業の特徴は生協本体の事業と生協を母体として設立した社会福祉法人、そしてワーカーズコレクティブ、NPOの事業での展開という多軸重層的なスタイルとなっている点です。4都県の福祉関連の団体数は200団体を超えており、事業内容は訪問・居宅・通所・ショートステイ・特養・グループホーム・食事サービス・移動サービス・保育園・子育てひろばなど多岐にわたります。生協という「共益」の組織の強みと限界性を認識しながら人材やノウハウ、また空間などの資源を地域社会に拓く試みは、とてもユニークな取り組みになっていると思います。

ハンサリムの人たちは、これから福祉事業を取り組もうとしている中で、生活クラブの取り組みを見て、地域での人との関係性を活かしながら事業を進めていることをとても高く評価してくださいました。また保育園とグループホームやデイサービスなどの高齢者施設の交流があることにも関心をもってくれました。

これから韓国の生協はますます面白くなるでしょう。目が離せません。

文:村上彰一/生活クラブ生協東京 専務理事

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