4月 292010
 

第8回 希望の種を探そう
「世田谷のまちづくりを歩く」参加レポート

4月10日、今年第1回目の「希望の種を探そう」、下北沢と三軒茶屋のまち歩きが開催されました。

この日は、世田谷在住でジャーナリストの高橋ユリカさんに案内をしていただきました。下北沢の駅は、小田急線の複々線と地下化の工事が進んでいますが、ユリカさんは、その結果生まれる空間をどのように活用していくのかを考える「あとちの会」の事務局もなさっています。

※ユリカさんのホームページとブログには、
下北沢の「いま」の情報や、まちづくりの話などが満載です。
http://yurika-net.sakura.ne.jp/
http://yurika-net.sakura.ne.jp/blog/

まず、北沢タウンホールの会議室で、下北沢にまつわるお話を伺いました。そして、1982年に本多劇場ができてから、小劇場、飲食店などができ始め、今のような下北沢になってきたことや、個性的な顔をもつこの下北沢が、昭和21年につくられた「都市計画」によって、道路と駅前のロータリーをつくる予定になっていることなどを知りました。

話をお聞きしたあとは、いよいよまち歩きです。

この日は、北沢タウンホールを出発し、下北沢の北側から下北沢の駅周辺を大きく円を描くように歩きました。最初に、下北沢の賑わいとは一線を画す住宅地に位置する韓国雑貨を置いたギャラリーや、カトリック教会などを見学しました。
そして、若者や外国人観光客にも人気の、駐車場を改装して何店舗も小さいお店が入っている東洋百貨店、これまた人気を集めている一軒家をまるごとカフェにした“mois cafe(モワカフェ)”、地域住民が計画段階から参加して作られた北沢緑道と150本もの桜並木などなど、高橋さんの案内のもと、下北沢ならではのまち歩きを楽しみました。

まち歩きの後、「世田谷まちづくりファンド」の報告会を見学しました。まちづくりのプランが生まれ、実践される現場を体験した後、交流会にも参加しました。「韓国からの留学生たちが来ている」と紹介いただいたところ、いろいろな活動をなさっている方たちに、「今度は小学校で、韓国の歌やら文化を紹介して下さい」「多文化放送のレポートをしてみませんか」などなど、留学生にもいろいろ声をかけていただきました。

日本希望製作所のインターン生で、慶熙大学校NGO大学院のソ・ヒジョンさんが、まち歩きの感想を書いてくれました。

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「下北沢まちづくり」に参加して

韓国慶熙(ギョンヒ)大学校NGO大学院
ソ・ヒジョン

世田谷区は市民参加型のまちづくりで有名な東京のまちです。今回廻った下北沢は、韓国の大学路(テハンノ)、明洞(ミョンドン)、仁寺洞(インサドン)のように、小劇場や可愛いショップ、そしてギャラリーなどがあり、大学生や多くの人が集まる場所で、美味しい飲食店が並び、見どころも美味しいところもある、おもしろい場所です。
昔からある商店が今も続いていて、過去と現在を見ることができ、昔ながらのおしゃれな感じと、若いおしゃれな感覚を合わせもち、同時に楽しめる時間を過ごせるところにこそ、価値があると思いました。しかし残念なことに、あのように素敵な場所が道路に変わると聞きました。(注:下北沢には道路計画によって、古い町並みが撤去される計画がある)かなり前に決定されたことですが、市民たちの反対運動で、まだ道路の工事は始まらない状態だといいます。

私たちは、1970年代から世田谷区の住民参加型のまちづくりを中心になって進めてきた林さんにお会いしました。そして、世田谷に住んでいるジャーナリストの高橋ユリカさんに案内をしてもらいながら下北沢のあっちこっちを歩きました。下北沢駅の南口を出てすぐの一番大きな建物の本多劇場は、1983年にアパートをリモデリングしてつくった小劇場とライブハウスなどが集まっているところでした。また、住宅地の道には、素敵な商店もあり、女性が好きそうなアクセサリショップもありました。その中で一番印象的なのは昔の駐車場をリモデリングして営業しているお店です。一人の人が営業するのではなく、ボックスがたくさん並び、まちの人がそのボックスを毎月5000円で借りて、個人的に作ったアクセサリなどを販売するというアイデアは本当に印象的なものでした。

そして、一番活気のある道路の周りには、明洞みたいにブティックとか食堂など様々なショップがいっぱいあって、お祭りの雰囲気を演出していました。 こんなにいろんな色があるすてきなまちに道路ができるなんて信じられません。人が歩く道の間近に電車が通ったりするのは、確かに危険や不便であるかもしれません。でも、長い時間をかけてまちづくりをやっている人々の愛情と努力を考えたら、胸が痛くなります。どうすればいいのかは分かりませんが、住民との対話でいい結論が出たらいいと思います。
去年、NGO大学院の研究会で全州(チョンジュ)に旅行に行ったことがあります。全州も民俗学者が代表になって、住民が参加しながら、市民運動団体とネットワークをつくり、全州市からの4車線道路をつくることに反対し、長い間対話を重ねることによって、現在「韓屋(韓国の伝統家屋)のまち」という伝統的文化を体験でき、歴史を学べる有名な観光地になっています。

その後、下北沢から三軒茶屋に移動し、キャロットタワーの展望台でコーヒーを飲んで休んでから、「世田谷まちづくりファンドの発表会」に参加しました。地域住民がどうやってまちづくりに関わるのか、計画を発表して選ばれたところに助成金が出されるというのは、たいへん新鮮でした。もっと驚いたのは若者よりお年よりが半数以上だということです。意識がある人々がつくりだした住民参加型のまち、高層ビルだけではなく、既存のものとよく合うような斬新なアイデアを実際に適用し、愛着を持って生きているのが私の心を暖かくしてくれました。

歩きすぎてちょっと疲れましたが、生き生きしている世田谷を見ることができて楽しかったです。そして、意識があり、住むまちを守っている人々がいるのが分かって心が明るくなりました。

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ヒジョンさん以外の参加者の方からの感想も、ご紹介します。

*下北沢は3回目でした。今まで見ていた下北沢のとは違うイメージを見られました。地図を見ながら歩いて、まちの隅々まで見れたのは、ものすごくいい経験だと思いました。自由な雰囲気、古いお店、静かな道など様々な顔をしていると思いました。道路ができるのは残念ですが、住民たちの動きがあるのを聞いて偉いなと思いました。その住民の意見が受入られて、今の美しくて雰囲気のいい下北沢が残ったらいいなと思いました。

*初めて下北沢を歩きました。"若者の"というイメージから"市民による手づくりの"というイメージに変わりました。桜並木のある公園、市民の意見をもとに作られたこと大変感動!!私もまちづくり頑張ります。

*地役の活性化及び住民福祉のために、商店の活性化や住民のための新しい施設やアイデアについて、市民たちが直接参加して提案し、活動していることはすごく印象的でした。公務員と市民の交流を通して、よりよい地域を作っていく努力とか、市民の参加が広がっていくのは、韓国でもできたらいいと思います。まちづくりという意味と活動について、より理解できるいい経験でした。

*散歩しながら町のあちこっちを見られる機会があって嬉しかったです。もちろん人々との出会いも^^。町はお年上の世代と若者の世代が合わせて一緒に過ごしているのを見て明るい雰囲気が感じました。市民が自発的に桜の道を作られたことと町の環境を返して行く努力は韓国も学んでいくべきことだと思いました。

*住民自身が住んでいるまちのために考えたり、努力したりするのは、すごく印象的でした。初めて来た下北沢は小さい道がきれいでした。最初に先生が説明したように、過去と現在が共在している町なので、とても魅力がありました。一人で来たら絶対に見られない場所も行ってみたし、色んな話も聞くことができてよかったと思います。次はまちづくりに参加したいと思いました。
p.s. ご飯、すごく美味しかったです。^^