5月 052009
 

李大洙先生は、韓国の軍事独裁政権時代から民主化運動にかかわり、1983年にはその報告のため秘密裏に日本にいらっしゃるなど、まさに韓国の民主化を牽引してきた方です。現在は京畿道で様々な市民運動に携わっておられます。また、1993年から韓国の焼却場反対運動にリーダーとして携わり、全国をまわって活動しておられたので、「ゴミ牧師」というニックネームで親しまれています。

京畿道は,ソウル都市圏であり,韓国でもこの数十年で急激な人口増加・開発が進みました。
他地域に比べて,京畿道アイデンティティが希薄な部分は否めません。

しかし,さまざまな問題を前に京畿道でも多くの市民団体が生まれ,今では連帯して活動しています。

韓国は中央集権的性格が強く,どうしても地方の自律性は弱くなってしまいます。そのような中,前盧武鉉大統領時代に「教育自治・警察自治」を旗印に制定された教育長選挙が,昨年京畿道で行われました。そこでは,反李明博系の候補が当選しました。これは李明博就任後の中間評価の側面を持ちます。この選挙では京畿道の市民団体が集まり,「京畿希望教育連帯」という組織を結成して支援しました。勉強に追われ,公教育の信頼も失墜しているなか,多くの人々がいまの教育を変えていこうとの思いで新教育長を支援しました。短期間で組織化し,激しいのが韓国の市民運動の特徴でもあります。

また,リコール制度も誕生し,自治体長や議員の腐敗を追及することも増えてきました。地域で変えていこうという機運が高まっています。

ただ熱しやすく冷めやすい国民性でもあるので,今後も継続して市民運動が連帯し,改革していくことを期待しています。

また市民運動において大切なのは,各地域レベルで積極的に市民が参加することです。各地域に根付いた問題から取り組むことによって,発展していくのではないかと思っています。

一人ひとりの生活に基盤を置いて活動していくことが大切です。

つぎにこれからの日韓市民社会の連帯についてお話しします。

まずは過去の問題についてです。私は韓国併合100年を来年に迎えるにあたって,日本の方々と一緒に「日韓併合100年ネットワーク」という組織をつくり,いっしょに活動しております。日韓の過去に横たわる植民地支配の問題を真摯にとらえ,日本は反省をし,日韓共同の平和実現の機運を高めていかねばならないでしょう。平和のためには,いろいろな問題を総合的に考えなければなりません。地域の住民としてだけではなく,アジアの人間でもあるし,世界の人間でもあります。過去の100年は国が主導し,数多くの争いが生まれましたが,次の100年は市民が主役となって活躍していけるのではないかと考えています。

 

私が最初に日本に来たとき,韓国の民主化を応援してくれる人がいたので,日本に恩返しをしなくてはならないと思っています。同じアジアの一員として,アジアの他の国々を支援する方法を日本から習ったり,共同で実践したりなどやれることはたくさんあると思います。

小さな活動がたくさん集まることで,大きくなると思います。

両国の小さな活動が友情の海を生み出します。大きな行動は難しいけれども,小さな実践はみなできるのではないでしょうか。協力して変化を生み出すことが,これからの日韓の課題と言えるでしょう。