10月 052009
 

10月30日、韓国の韓国仏教の代表宗派である曹渓宗の主要寺院、曹渓寺(チョゲサ)の仏教歴史文化記念館で、「韓日社会デザイン・イノベーション・ワークショップ」(主催:希望製作所、後援:国際交流基金)が、下記のようなプログラムで開かれました。(「ソーシャルデザイナー」「ソーシャルデザイン」という用語を韓国で初めて使ったのは希望製作所の朴元淳常任理事です)

 今回、ソーシャル・イノベーションに関心のある日韓の活動家が集まり、創造的な社会変化のためのアイデアを交流し、私たちが望む未来社会をデザインしようという趣旨で開かれました。
 朝の9時10分から17時50分までのハードなプログラムでしたが、途中で抜ける人もほとんど見られず、熱心な議論が繰り広げられました。

 

報告内容の詳細は、希望製作所のカンユ・カラム研究員の報告があるので、翻訳ができてからアップしたいと思いますが、まず、日本から参加し、報告された皆さんの感想をご紹介したいと思います。

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【フォーラム・スケジュール】

9時10分 開会挨拶
9時20分 基調講演「ソーシャルデザイナーの想像力が社会を変える」 朴元淳(希望製作所常任理事)

10時   報告1「再び、地域を考える」村上彰一(生活クラブ生協・東京専務理事)
10時20分 報告2「社会変化運動と利潤の追求をバランスよく」広石拓司(株式会社エンパブリック代表取締役)
(残念ながら広石拓司さんは参加できず、かわりに桔川純子が報告しました)
10時40分 報告3「ソーシャルメディアなくして社会運動はない」イ・ジュンテ(エメルマンコリア代表取締役)
11時   報告4「社会革新の世界的な流れと多様な方法論」キムイ・ヘヨン
(希望製作所社会創案センター研究員)
11時30分 コメント1「営利と非営利間のセクターの垣根をなくすプロジェクトが社会を変えるのか?」
中村陽一(立教大学21世紀社会デザイン研究科教授)
11時40分 コメント2「進化する市民社会の組織と社会革新の動き」
ハ・スンチャン(市民社会団体連帯会議運営委員長)
11時50分 第1セッション全体討論

14時  報告1「ある制度を利用し‘社会変革’」チョン・チナン(情報公開センター事務局長)
14時20分 報告2「新しい文化芸術の生態系をつくりだす」イ・ウンジン(楽しい文化学校教師協会ジャパルテ代表)
14時50分 報告3「アマチュアの店で世の中の変化を夢見る」松本哉(素人の乱)
15時10分 報告4「多文化が共生する‘まち’―双方向のコミュニケーションで」
吉富志津代(NPO法人たかとりコミュニティセンター常務理事 )
15時30分 コメント「社会革新の多様な方法論の有機的な結合のために」ユ・シジュ(希望製作所所長)
15時40分 コメント「社会革新の流れ、どのように市民社会とネットワーキングするのか」
西田洋之(京都市市民活動総合センターセンター長)
16時 第2セッション全体討論

16時40分 総合討論
17時50分 閉会

【日本からの参加者の方の感想】

中村陽一(立教大学21世紀社会デザイン研究科教授)
ソーシャルデザイナーという(私が属する研究科とも)共通のキーワードのもと参加した今回のワークショップは、あらためて社会革新(ソーシャルイノベーション)をめざす動きのグローバルな展開とアジアでの進展について確信を深めるいい機会となった。
 現在、私が進めている日本のソーシャルビジネスの全国的なネットワーク形成と基盤整備と関わっても、その動きが、セーフティネットづくりやビジネスとしてのイノベーションのみにとどまらないものであることを支えるのが、この社会革新という方向性であろうと思う。
 あらためて、関係者の労を多とし、御礼を申し上げたい。

吉富志津代(NPO法人たかとりコミュニティセンター常務理事)
日本よりずっと住民自治意識の高い韓国では、すでに「市民力」を活力として、社会変革のための社会的起業に着目し、さまざまな手法での展開が具体化していることを知りました。文化的な背景が近い日本と韓国ですが、政策の決定スピードにずいぶん開きがあるという事実も確かめることができました。今後は、情報共有を密にして、市民レベルでの連携でお互いの知恵を活かせるということを実感することができました。

村上彰一(生活クラブ生協・東京専務理事)
日本と韓国のソーシャルデザイナーが集い、問題意識を伝え合ったことは、とても刺激的であり、多くの示唆を与えていただいたワークショップでした。セクター間の垣根が低くなり、足りないところを補完しあう関係にシフトしつつある中で社会的企業の登場は重要な約割を果たしていくことに違いありません。私は協同組合を推進する立場から発言させていただきました。市民社会の強化の鍵は、生活空間である地域の課題を自分たちで解決するために、市民自身が提案し実践することの繰り返しであると考えます。そのために、「協同組合」は人と人が繋がり問題解決に向けて協力していくための「道具」と位置づけることができます。結構おもしろいですよ。
地域社会をどうデザインするか・・皆さんと引き続き議論したいテーマですね。ワークショップの会場には若い人たちもおおぜい参加している光景は、とても頼もしく、そしてうらやましく、韓国社会の勢いを感じました。希望製作所のスタッフの皆さんも、みんな日本に連れて帰りたいと思ってしまいました。このような機会をつくっていただきありがとうございました。またお会いしましょう。

西田洋之(京都市市民活動総合センターセンター長)
この度は、韓日ソーシャルデザイナー社会革新ワークショップにお招きいただき、誠にありがとうございます。今回出席させて頂き、特に感じたことは、両国とも「なんとかしたい、より良くしたい。」という市民の思いが様々な取組みとして紹介され、互いの課題意識や良いところを共有できたことにあると思います。今後はいかに市民の自発的な取組みが継続的に展開できるよう、また運営・経営のノウハウやサポートのあり方について互いに考えあえればと思います。希望製作所のスタッフの皆さま本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。