10月 052010
 

韓国の地域通貨の事例 ー大田のハンバッレッツ

ソン・ユンスン
(韓国 慶熙大学 NGO大学院修士過程)

私たちが生きている資本主義社会ではすべてのものが商品化され、価値は市場経済原理によって決まる。 特に中央銀行が発行した貨幤だけが唯一の交換手段として使われている現代社会では、すべての価値が貨幤を中心に回っており、それによりあらゆる生きるためにしょがなくしてしまった犯罪と疏外された人々が生まれ,社会の不平等, 環境破壊, 人間疏外現象などが問題をもたらした。 このところから一つの代案としての地域通貨が試ためされられている。

地域通貨の基本的な概念は国から発行した一般の貨幤とは違い,個人が貨幤を持っていなくてもサービスと品物を交換することができると言うことだ。 その例として今から韓国の成功事例であるハンバッレツを紹介したいと思う。 2000年に作られたハンバッレツは生きていくためにお金ではなく共同体が必要だということを自覚した人々の集まりだ。 お互いに提供できることと要することを共同体が公開して、必要な所に適切な労動と時間, 財貨が使うように設計されたシステムだ。 地域通貨と同時に共同体貨幤である “テゥル”を通じてお互いの生を分かち合うということを基本にしている。

‘テゥル’とはすべての物品やサービスを取り交わす過程で現金の代わりに使う共同体貨幤の名称で、金額は当事者たちが決め、その価値は現金貨幤と同じだ(1,000テゥル=1,000ウォン)。それなら果たして ‘テゥル’がどんな原理で使われられるのだろうか。現金とテゥルを一緒に使う場合には全体価格の 30% 以上を ‘テゥル’で取り引きしなければならないという制約があり, 各取り引き金額の 5%を手数料に積立している。 概して一般貨幤で取り引きされる品目はテゥルと現金を交ぜて取り引きするが会員たち同士リサイクル品などを売る時はテゥルだけを使ったりする。 テゥルを通じる取り引き方法は、先にハンバッレツホームページや事務局に連絡して申込書を作成して送ることで加入ができる。加入費は 1万ウォンまたは 1万テゥルで年間会費は一年に 2万ウォンも毎月 2千ウォンずつ出すことになっている。

取り引きを願う会員たちは直接連絡するかホームページを利用して価格とテゥルの使用割合を決めた後,取り引きをする。 会員の間の自律的な取り引きが成り立てば、物品やサービス提供者が登録所に連絡して取り引き内訳をホームページまたは電話を通じて知らせる。 また自分が提供や要請しようとする物品やサービスを登録所に知らせれば、登録所は希望する取り引き対象会員に連絡してくれる。 以後取り引き内訳は各会員たちに知らされて個人の口座に取り引き金額が整理,計算される。 登録所は会員業務と勘定管理, 取り引き記録を管理する事務局の役割,同時に取り引き空間になる。 加盟業店の場合ホームページの会員情報, プムアッのヘルパーのパンフレットを通じて取り引き意思を表示しないとしても取り引きが成り立つ。 2006年を基準にして 600人ぐらいの会員と加盟国の薬局,漢方病院など 60 ヶ所との糸取引量が年間 4745件に取り引き総額が 1億 2千万ウォンに至る。

地域通貨は一般的な取り引きという意味の貨幤ではなく “信用貨幤”, “信頼貨幤”という意味が含まれている。 “信頼”を基盤とする地域通話は、地域社会が持っている資源を市場化させるなどのように外部で離脱させるのではなく, 住民自らが決定し、お互いに使うようにすることで地域経済を自立するようにする試みという点で、国家への依存性を脱皮して個人及び地域自立という点で示唆するものが大きい。

地域通貨参加者たちは地域通貨を媒介として交換取引することで、地域を認識して地域に対する所属感を感じる事ができるようになる。それは地域社会に対する責任意識に拡張され、また参加者たちの参加と意識拡張は新しい規範が作られ、その規範によって自己実現の欲求、自分自身の存在感の向上, 情緒的な満足感の充足ができる。 また地域住民たちに充足されることができなかった欲求で経済的欲求, 持ちつ持たれつ, 持続可能な消費など生態主義社会に進むための実験場になっているが、これは地域通貨が経済的利益よりは地域社会の意識をこぶさせて地域共同体形成という話題を実現させることができることに意味があり、地域通貨が住民たちを直接的に参加させることで交換を通じて互いに共同体意識を形成させることができる良い機会を提供しているのだ。

ここで地域通貨の持続可能性に対する疑問が生まれるが地域通貨が持つ意味と価値を考慮したらそれは杞憂に過ぎないということが分かる。 前で言及したことのように地域通貨はマーケットプライスだけが価値を決める今の時代に(価値があると判断されるものなどを正当に認めて保存することができる代案を)提示しているからだ。 言い換えれば, 地域通貨は共同体的価値を維持しながら市場経済の不完全盛を補って, 家事労動やボランティア活動などのように市場で低評価される類型, すなわち非市場経済領域を積極的に認める。 地域通貨が持つこのような特性は結局多様な地域社会構成員たちがたとえ社会資本を所有していないとしても“地域通貨”というより開放的で参加的な貨幤システムの活用を通じて地域住民たちに新しい人的ネットワーク構成と信頼を形成することができる方案を提示してくれる役目をすることだ。

翻訳 チョ・ナヨン
編集  小川知子