韓国のまちづくり

 

長く軍事独裁政権が続いた韓国では、李承晩政権下に存在していた地方自治制度が、朴正煕政権となってからは事実上停止されていましたが、民主化が実現した後の1991年にようやく地方自治制度が整備されました。そして、1995年に地方首長選挙が復活したのをきっかけに、地域への関心が高まりました。それに伴い、民主化運動に主体的にかかわった市民が中央政府に対抗する運動から地方へと意識を転じ、地域社会を変革しようという動きに変わってきました。そのような模索の最中の1997年に延藤安弘のまちづくりに関する翻訳本が出版され、日本のまちづくりに興味をもつ市民グループが増えていったのです。

1998年の経済危機を経て、1999年には「ふるさとに記憶されるまちづくり」といった呼称の運動がはじまり、「アパート共同体運動」や公園づくりへの住民参加など、徐々にまちづくりの運動が市民の間に広がっていきました。欧米にも様々なコミュニティ運動の事例がある中、日本に目が向けられるようになったのは、日韓の地方自治制度が似ているという理由からです。以来、「まちづくり」という言葉がそのままハングルに直訳(マウルマンドゥルギ)され、本来の意味合いをとらえやすい、親しみのある言葉として一般に浸透してきています。

日本希望製作所では、まちづくりの手法を学ぼうと来日する韓国の市民グループや公務員らの視察・研修のコーディネーションを行っています。また、韓国でのまちづくりの先進的な事例についてもコミュニティ・リーダーらを招いて紹介しています。