韓国の社会的企業育成法

 

2007年7月、韓国では「社会的企業育成法」が施行されました。

東アジアで初めて成立した法律であり、また日本では法制化されていないこともあり、その動向が日本でも関心を集め始めています。

これまで韓国は、日本を追いかけるようにさまざまな法制度を成立させてきました。しかし、盧武鉉政権のもとで、「非正規労働者保護法」を始めとして日本にはない法律や制度が誕生し、日本から韓国に視察に行くことも珍しくなくなってきました。

1990年代初め韓国では、貧民地域で建設業や縫製業を中心とする生産共同体運動が注目を浴び活発化しました。当時、地域における労働運動と、貧困に喘ぐ人々を支援する貧民運動陣営では、労働搾取をされないような労働方式と経済的な向上を模索していたからです。やがて貧困を脱するための方法として政府が注目し、1996年金泳三政権下で「自活支援センター」が5か所設置されました。政府が介入し、制度化を試みたということです。

多くの失業者と深刻な貧困問題への対策として「公共勤労事業」、つまり公共機関が優先的に「自活支援センター」へ事業を委託するという政策がとられるようになりました。また全国的に失業克服国民運動本部を中心とした失業運動が展開されたこともあいまって、「社会的職場創出」への動きへとつながっていきます。そして、市民運動陣営の働きかけにより2000年に施行された「国民基礎生活保障法」に続き、2007年に「社会的企業育成法」が施行されました。

韓国では、「貧民運動」「失業克服国民運動」の運動の流れが、法律の制定と深く関わっていると言えるでしょう。

「自活支援センター」は2000年に「国民基礎生活保障法」が施行されたこにともなって、「自活後見機関」と名称が変更になり、現在では全国242か所でその取り組みがなされてます。現在韓国では、「認定社会的企業」が次々に誕生していますが、そのなかには「自活後見機関」も多く、また「自活後見機関」も「社会的企業」を目指すべく、さまざまな模索をしています。

※韓国の「社会的企業育成法」の日本語訳は、下記サイトからご覧いただけます。

「協同総研」 http://jicr.roukyou.gr.jp/data/korea_SE_law_v07.pdf